人びとの「移動」を支える公共交通機関の一翼を担うバス事業において、ジェイ・バスが安全かつ高品質で快適なバスを提供するためには、バスの生産に必要な一つひとつの部品を供給いただく仕入先様の協力が不可欠です。
ジェイ・バスはさまざまな機会を通じてビジネスパートナーである仕入先様と積極的に交流し、共に成長できる活動を続けていきます。
地球規模で進む温暖化に起因する異常気象や地震などの自然災害に備え、サプライチェーンの見える化を進めています。
2020年度からの中小河川のハザードマップ作成義務化に伴い、サプライヤー洪水ハザードマップを更新、対象サプライヤーを200社(297拠点)から389社(507拠点)に拡大しました。土砂災害についても被災リスクを見える化し、今後さらに高まる自然災害リスクに備え、迅速に対応できる体制を構築していきます。
地球環境保全が人類共通の最重要課題の一つであることを認識し、環境にやさしく地域に調和できる工場づくりと、社会を豊かにするバスづくりを目指し、環境活動を行っています。
カーボンニュートラルについても、今後、具体的な取り組みについて株主方針をもとに課題化し、国際的なCO2削減の流れに対応していきます。2023年度は仕入先様のエネルギー管理状況の調査に取り組みました、2024年度は調査結果を仕入先様と共有し、今後の取り組みについて検討してまいります。情報収集とより排出量の少ない材料・工法への置き換えについて、設計部門や仕入先様と協力しながら進めてまいります。
こちらからグリーン調達ガイドライン(PDFファイル)をダウンロードすることができます。
「グリーン調達ガイドライン」PDFダウンロード(262KB)
新型コロナウイルス感染症の収束が見込めなかった3年間は、調達方針説明会を書面開催としてきましたが、2023年3月にWeb開催しました。
また、5月に新型コロナウイルス感染症が5類へと移行されたことを受け、7月には4年ぶりとなる対面での協力会総会を開催しました。多くの仕入先様に参加いただき、参加された仕入先の皆様からは「実施していただいて良かった」との声をいただきました。
2023年12月には、こちらも4年ぶりとなるトップ懇親会を開催し、コロナ禍前と同等数の方に参加いただきました。
ようやくコロナ禍以前の形を取り戻しつつあるため、今後は仕入先様との交流活動を再開し、安全・品質を柱に相互のレベルアップを図っていきたいと考えております。
各改善活動における表彰制度で、仕入先様のモチベーションの維持・向上に努めています。
品質改善や原価改善などで優れた成果を収められた仕入先様に対し、調達方針説明会にて表彰しています。
2023年度表彰はWeb会議での開催となりましたので、仕入先様へ個別訪問を行い表彰させていただきました。
バス製造に使用している部品には、採用当時はバス以外の多業種でも需要があり安定調達できていたものが、年月が経つにつれ、他業種での需要がなくなり「バス専用部品」となっているものが増えています。ジェイ・バスではこれらを「ガラパゴス部品」と名付け、需要減による製品統合や事業撤退による生産中止といったリスクを回避するために、対象となる部品を抽出し製品変更を進めています。
実験評価などの採用基準を明確にするとともに、環境負荷物質の規格遵守についても仕入先様と連携し進めてまいります。
調達部
部長秋山 鉱一
バスは完全受注生産のため、お客様ごとに仕様が異なり、使用する部品が多岐にわたっています。エンジンや足回り(シャシーユニットなど)は株主である日野自動車株式会社・いすゞ自動車株式会社から供給を受けていますが、それ以外の部品についてはジェイ・バスが約400社の仕入先様から調達しており、双方の協力が不可欠となっています。
昨今は地政学リスクによる供給懸念・仕入先の廃業・価格高騰等から目が離せない状況となっています。このような状況下、自動車業界では「環境」や「災害」をキーに電気バスや燃料電池バスの開発、「運転手」や「事故」をキーに自動運転の技術革新が進んでおり、これまで以上に仕入先様との連携が大切になります。
ジェイ・バスは、ビジネスパートナーである仕入先様と、人と人とのつながりを大切にし、高い信頼を得られるように行動するとともに、カーボンニュートラルなどグローバルな課題を理解し、共に成長し続けられる関係を育んでまいります。