バスの製造工程では、大量の電力やガスを必要とします。また、完成したバスの使用段階では、排気ガスが排出されます。このため、バスを扱うメーカーとして、ジェイ・バスは環境に対する高い意識を持って事業活動を行わなければならないと認識しています。
バスの製造工程は細かく分かれていますが、工場全体で部門横断で環境配慮に取り組むことで、会社全体で環境負荷の低減を実現していきます。
当社は、地球環境保全が人類共通の最重要項目の一つである事を認識し、環境にやさしく地域に調和できる工場づくりと、社会を豊かにするバス造りを目指し、全員参加で環境活動を行なう。
ISO14001が2015年に改定されたことを機に、ジェイ・バスの製造拠点である小松工場・宇都宮工場で統合認証を取得しました。
環境活動の推進にあたっては、トップマネジメントがリーダーシップを発揮するとともに、各工場に環境管理委員会を設置して活動を統括します。また、総務部安全グループがISO事務局となり、各工場の活動に不整合がないかを確認しながら活動を推進しています。
環境法規制は年々強化されており、今後も確実に対応していく必要があります。
ジェイ・バスではインターネットによる法改正情報をはじめ業界紙や各団体からの情報を適正に処理し、マネジメントシステムの手順にそって監視及び順守評価を行っています。
水質、大気、土壌、騒音・振動その他についても規制をクリアしています。
内部監査員教育をはじめ各階層・業務に応じた教育活動をしています。
また、事故・災害などの緊急事態に備え、各職場に応じた訓練・テストを実施しています。
内部環境監査では、監査員が単に不適合を指摘するだけでなく、被監査部署の環境管理者とともに不適合発生原因の追究を行い、再発防止と環境マネジメントシステムの管理レベルの向上を図っています。
バス製造工程では、特に塗装工場で多量のエネルギーを必要とします。このため、塗装工場のエネルギーを見える化し、作業改善や設備の適切な運用等の省エネ活動を推進しています。また、新規設備導入の際にはエネルギー効率の優れた設備の検討および導入を実施しています。
また、多くの社員が省エネに興味を持ち積極的に活動に参加する基盤づくりとして、省エネパトロール員を選出し、環境教育や月1回の省エネパトロールを実施しています。
2019年度は、塗装工場にエネルギー監視設備を導入し、電力・蒸気・LNGの使用状況の見える化を実施しました。
この監視設備を活用し、作業改善や設備の適切な運用を行い、さらなる省エネを推進していきます。
【小松工場での主な取り組み】
■乾燥炉運用におけるムダの削減
バスボディが未搬入の状態で乾燥炉が稼働しており、ムダなエネルギーが消費されていることを発見。ボディ搬入に合わせ乾燥炉を稼働させるよう改善しました。
2019年11月より乾燥炉6基の運用見直しを行った結果、15,389㎏-CO2/年の削減効果が認められました。
【宇都宮工場での主な取り組み】
■塗装ブース運用におけるムダの削減
排気ファンにインバーターを設置し、塗装作業がない時間帯はファンの出力を落として稼働させることにより、作業環境の確保とエネルギーのムダ削減を実施した結果、5,600㎏‐CO2/年の削減効果を実現しました。
照明のLED化(小松工場1,771灯、宇都宮工場410灯)、空調設備の更新(小松工場149機、宇都宮工場35機)を実施し、CO2排出量削減を進めています。
省エネの必要性や具体的な効果を理解してもらうことが必要との考えから、直接部門では2019年6月に1回、間接部門では7月に2回の省エネ勉強会を実施しました。
また、2019年度は9回(直接部門5回、間接部門4回)のパトロールを実施し、31件の改善を行いました。
生産技術部
部長菱谷 昇
私たちジェイバスは、人々の「移動」を支えています。
反面、バス製造過程において多くのエネルギー使用とCO2を排出していることを全社員が認識し、「持続可能な社会」の実現に向けて省エネに取り組んでいます。
2019年度には、エネルギー使用の54%を占める「塗装工程」にエネルギー監視システムを導入しました。常時エネルギーの使用状態を「見える化」し、不要な設備稼働の停止等徐々に効果を上げています。このような省エネ効果の高い設備導入はもとより、再生可能エネルギーの導入も視野に入れ、CO2排出ゼロに向けて長期的に活動を継続していきます。
目標を達成するためには一人ひとりの「意識」「知識」「行動」が不可欠であることから、全員で環境負荷の低減を目指します。